職業訓練校とは|どんな人が通える?お金はかかる?内容と申し込みの流れ、給付金についても解説

「もう一度働きたいけれど、スキルがないし…」
「でも、今さら新しい職種なんて無理かな?」
そんな悩みをお持ちの方には、ハローワークの職業訓練校で学ぶという方法があります。
今は、40代でも50代でも新しいことを始められる時代。必要なスキルを身につけて、やりたい仕事に就いて自分の人生を楽しみませんか。
この記事では、職業訓練校について詳しく解説します。自分に合ったスキルを見つけて、一歩を踏み出してみませんか。
- 1. 職業訓練校とは
- 1.1. 職業訓練校の種類
- 2. 職業訓練校の対象者(誰が入れる?)
- 2.1. 求職中の人
- 2.2. 学校を卒業後に就職していない人
- 2.3. 障害のある人で就職を目指している人
- 2.4. 在職中で訓練を希望する人
- 3. 職業訓練校の講座内容(何を学べる?)
- 3.1. IT・デジタル系
- 3.2. 事務・経理系
- 3.3. 医療・介護・福祉系
- 3.4. 製造・建設・技術系
- 3.5. デザイン・クリエイティブ系
- 3.6. サービス・接客系
- 4. 職業訓練校の申し込み方法(どうやって申し込む?)
- 4.1.1. 離職中の場合
- 4.1. 在職中の場合
- 5. 職業訓練中にもらえる給付金(いくらもらえる?)
- 5.1. 公共職業訓練(離職者向け訓練)の手当
- 5.2. 求職者支援訓練の手当
- 6. 職業訓練を受けるメリット
- 6.1. 受講料が無料
- 6.2. 条件を満たせば手当や給付金を受け取れる
- 6.3. 就職支援を受けられる
- 6.4. 資格取得に向けた準備ができる
- 7. まとめ
職業訓練校とは
職業訓練校とは、再就職や転職を目指す人が、働くための知識や技術を学ぶための公的な教育制度です。
全国のハローワークで申し込みの受付が行われており、訓練は各地の専門機関や民間の教育機関で実施されています。受講料は原則として無料で、パソコン操作、事務、介護、プログラミングなど、実務に直結した内容を学ぶことができます。

受講料は無料!スキルを習得できるだけでなく、就職支援も受けられます。
職業訓練校の種類
職業訓練には、主に以下の2種類があります。
- 公共職業訓練
- 求職者支援訓練
この2種類の職業訓練には、次のような違いがあります。
項目 | 公共職業訓練 | 求職者支援訓練 |
---|---|---|
対象となる人 | 雇用保険を受給中の人 | 雇用保険を受給できない人 |
給付金 | 基本手当+通所手当など | 条件を満たせば月10万円+通所手当など |
訓練期間 | 約3か月〜2年 | 約2〜6か月 |
費用 | 無料(教材費別) | 無料(教材費別) |
申し込み先 | ハローワーク | ハローワーク |

細かくわけると、他にもあります。詳しくは、次項で紹介します。
職業訓練校の対象者(誰が入れる?)

職業訓練校では、仕事に役立つスキルを無料で学べるため、自分にも学ぶ権利があるかどうかが気になっている方も多いのではないでしょうか。
以下の条件に当てはまる方は、職業訓練校で学ぶことができます。
- 求職中の人
- 学校を卒業後に就職していない人
- 障害のある人で就職を目指している人
- 在職中で短期間の訓練を希望する人
それぞれについて、詳しく解説します。
求職中の人
求職中の人は、職業訓練を受けられます。雇用保険を受け取っているかどうかで、受講できる訓練の種類が異なります。在職中に雇用保険に加入していなかった人や、加入期間が足りずに受給できなかった人、自営業をしていた人、家庭の事情で長く仕事から離れていた人も対象になります。
学校を卒業後に就職していない人
中学校・高等学校・大学などを卒業した後、まだ就職していない人は、求職者支援訓練の対象です。また、学校を卒業後に一度も就職していない人向けのコースもあります。
障害のある人で就職を目指している人
身体・知的・精神のいずれかの障害がある人で、ハローワークを通じて就職を目指している場合も、求職者支援訓練の対象になります。また、障害の特性に配慮し、専門スタッフがサポートする障害者委託訓練というものもあります。
在職中で訓練を希望する人
仕事を続けながら短期間で学びたい人向けの訓練もあります。在職者向けのコースでは、2日から5日ほどで完結する内容が多く、申し込みは訓練を行っている施設に直接行います。業務に役立つ知識や資格を身につけたいと考えている人に向いています。

職業訓練校には誰が入れるのか、表にまとめておきますね。
象者 | 該当する訓練制度 |
---|---|
求職中の人 | 雇用保険受給者:公共職業訓練 雇用保険非受給者:求職者支援訓練 |
学校を卒業後に就職していない人 | 求職者支援訓練 |
障害のある人で就職を目指している人 | 公共職業訓練 求職者支援訓練 障害者向け特別訓練 |
在職中で短期間の訓練を希望する人 | 公共職業訓練(在職者訓練) |
職業訓練校の講座内容(何を学べる?)
職業訓練校には、たとえば次のようなコースがあります。
- IT・デジタル系
- 事務・経理系
- 医療・介護・福祉系
- 製造・建設・技術系
- デザイン・クリエイティブ系
- サービス・接客系
それぞれについて、詳しく解説します。
IT・デジタル系
プログラミング、Webデザイン、アプリ開発など、デジタル時代に欠かせないITスキルを習得できます。未経験からでもデジタル人材を目指せる人気コースです。
<例>WEBアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など
事務・経理系
Excel、Word等のPC操作、簿記、社会保険事務といった、どの業界でも必要とされるビジネス基礎スキルを学べます。就職の選択肢が広がる汎用的なスキルが身につきます。
<例>ビジネスパソコン科、OA経理科、簿記実務科など
医療・介護・福祉系
医療事務や介護職員初任者研修など、高齢化社会で需要が高まる医療・福祉分野のスキルを学べます。資格取得を目指せます。
<例>介護職員養成科、医療事務科、調剤事務科など
製造・建設・技術系
CAD操作、溶接、建築、電気工事など、ものづくりに関わる専門技術を習得できます。手に職をつけたい方におすすめです。
<例>CAD/CAM科、建築CAD科、電気工事士養成科など
デザイン・クリエイティブ系
グラフィックデザイン、Webデザイン、動画編集といったIT系のクリエイティブスキルを習得できます。専門的に学ぶことで活躍の幅が広がります。
<例>グラフィックデザイン科、WEBクリエイター科など
サービス・接客系
観光ビジネスや販売などの対人サービス業に必要なスキルを学べます。多くの業界で必要とされているスキルです。
<例>国際観光ビジネス科、販売サービス科など
職業訓練校にはいろいろなコースが用意されていますが、地域によって開催状況が異なります。詳しくは、Webサイトで調べるか、ハローワークで相談すると、自分に適したコースを紹介してもらえます。

学びたいスキルが見つかったら、早速申し込みましょう。
職業訓練校の申し込み方法(どうやって申し込む?)
職業訓練校の受講を希望する場合は、以下の手順で申し込みます。
離職中の場合
職業訓練は求職中の方を対象としているため、離職している場合は、仕事を探している(=ハローワークで相談している)ことが大前提になっています。
そのため、以下の手続きが必要です。
- ハローワークで求職の申し込み、職業相談をします。申し込み方法は、ハローワークに行って行う方法と、オンライン申請があります。
- 職業相談の際に、職業訓練の相談ができます。受講希望を伝えると、ご自身に必要な訓練かどうかが判断されます。
※職業訓練に応募する場合は、必ずハローワークに行く必要があります。 - 訓練が必要と認められると、申込書がもらえます。申込書の提出後に、選考が行われる場合もあります。詳細は、職業相談の際に確認しておきましょう。
- 受講が決まったら、「受講あっせん」という手続きをします。この手続きが完了したら、受講が決定します。
在職中の場合
在職者向けの職業訓練を希望する場合は、ハローワークを経由せず、訓練を実施する施設に直接申し込みます。条件を満たしていれば、空きがあれば受講できます。
職業訓練中にもらえる給付金(いくらもらえる?)
職業訓練を受けている間は、受講手当などを受給できます。その内容と受給条件を、公共職業訓練と求職者支援訓練にわけて詳しく紹介します。

雇用保険受給中の方は、それに加えて受講手当や給付金がもらえる場合があります。
公共職業訓練(離職者向け訓練)の手当
手当の名称 | 金額 | 受給条件 |
---|---|---|
受講手当 | 日額500円 ※上限20,000円、訓練受講日40日分まで | 雇用保険の受給資格者 ハローワークの指示により公共職業訓練を受講し、出席していること |
通所手当 | 通学にかかる交通費 ※実費 ※上限月額42,500円 | 通学距離が2km以上あり、交通手段が妥当であると認められること |
寄宿手当 | 月額10,700円 | 訓練のために自宅を離れ、家族と別居する必要があり、ハローワークに認められていること |
求職者支援訓練の手当
手当・給付金の名称 | 金額 | 受給条件 |
---|---|---|
受講手当 | 月額10万円 | 本人収入が月8万円以下(特例あり) 世帯全体の収入が月25万円以下 世帯全体の金融資産が300万円以下 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していないこと など |
通所手当 | 通学にかかる交通費 ※実費 ※上限月額42,500円 | 通学距離が2km以上あり、交通手段が妥当であると認められること |
寄宿手当 | 月額10,700円 | 訓練のために自宅を離れ、家族と別居する必要があり、ハローワークに認められていること |
職業訓練を受けるメリット
職業訓練には、再就職や転職を目指す人にとって、以下のようなメリットがあります。

就職を希望していて、真剣に取り組みたい人には、大きなメリットがあります。
- 受講料が無料
- 条件を満たせば手当や給付金を受け取れる
- 就職支援を受けられる
受講料が無料
職業訓練は、受講料が無料です。教材費や検定料などの一部費用は自己負担となりますが、負担が少ないのがメリットです。
条件を満たせば手当や給付金を受け取れる
職業訓練の受講中は、一定の条件を満たしていれば各種手当や給付金を受け取ることができます。
雇用保険の受給資格がある人は、訓練中も基本手当を受給できます。さらに、出席日数に応じた受講手当や交通費にあたる通所手当、住居を移して通う場合の寄宿手当などが支給される場合もあります。雇用保険を受け取れない人も、要件を満たせば職業訓練受講給付金の支給対象になります。
就職支援を受けられる
職業訓練のカリキュラムの中には、就職支援の機会が含まれています。キャリアコンサルティングや個別相談などによって、これまでの経験や強みを整理し、求人への応募準備を進めることができます。
履歴書や職務経歴書の作成、模擬面接、就職先の紹介など、再就職に向けた支援を受けながら進められる点も、職業訓練の大きな特長です。
資格取得に向けた準備ができる
訓練の内容によっては、コース修了後に資格試験の受験が可能です。たとえば、簿記、パソコン操作、Webデザイン、介護関連の資格など、就職に役立つ分野を目指す人にとっては、実践的なスキルとともに資格取得を視野に入れて学べる環境が整っています。
独学では不安な人でも、指導を受けながら学習を進められます。
まとめ
この記事では、職業訓練校について紹介しました。
ハローワークの職業訓練校は、求職中の方が就職に役立つスキルを習得できるスクールです。自分のやりたいことが見つかっている方は、ぜひハローワークにご相談ください。
自分の適職を知りたい方は…
自分が何をしたいのか、自分にどんな仕事が適しているのかを知りたい方は、ララワークの適職診断をご活用ください。

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